Q6 Shadow Mapとの違いはなんですか?

A6 (高桑) SMでは、まずLS上にオブジェクトが投影され、光源座標系のZ値(Deep SMでは、全Z値)が保存されます。次のステップで、オブジェクトはCSに投影され、カメラ座標系のZ値が保存されます。このZ値は、カメラ座標ー光源座標変換され、LSに保存されたZ値と比較され影か否かを判定します。

 一方、MPBSでは、CSで定義されたすべてのMPを含むワールド座標空間のPFが、LS上のMPに変換されます。

 生成された”CS-MPーPFーLS-MP”リンクの結果、影か否かの情報は、直接、CSのMPから参照されます。そのため、MPBSでは、SMで生じるLSとCS解像度、座標系の相違に関連するアーティファクトが発生しません。

SM:Shadow Map

MPBS:MicroPoint based Shadow

LS:光源スクリーン (光源座標系で定義されるスクリーン)

CS:カメラスクーン (カメラ座標系で定義されるスクリーン)

MP:マイクロポイント

PF:ポリゴンフラグメント(ワールド空間のポリゴンを分割したポリゴン片)

 (説明の続きがあります↓)

CSとLSの関係を示したのが上図です。SMでは、dp(CSにおけるmxnの矩形領域)とds(LSにおけるMxNの矩形領域)の関係が、不確定(任意の値)であるため、dpとdsの積(全組合せ)について、エイリアシングを考慮する必要がありました。一方、MPBSでは、

dp_m=1

ds_m << ds

(MPBSのdp、dsを、それっぞれ、dp_m、ds_mとする)

の関係が成り立ち、CS上にけるエイリアシングが、原理的に発生しません。Casting Shadows in Real TimeSIGGRAPH Asia 2009 Course NotesのPDFは、148Pにも及ぶ大作(対策)です。MPBSは、このPDFの内容を数頁に圧縮することができます。

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